結婚相談所を利用したいと思っていても
- 本当にエリートを紹介してくれるの?
- お金だけ取られて結婚できないのでは?
といったトラブルが考えられ、入会を躊躇してしまうこともあるでしょう。結婚相談所に関するトラブル報告は、2017年で1,806件も寄せられています。
せっかく高額を支払って入会するのだから、トラブルに巻き込まれずに素敵な人とお見合いをして結婚したいですよね。ここでは実際に起きた詐欺・サクラ・金銭トラブルを例に
- 法律を交えながらの対処法
- クーリング・オフや中途解約の制度
- 経済産業省のデータ
といった知識で不安を解消する方法をご紹介していきます。この記事を読むことでトラブルを未然に防ぐことができますので、ぜひご覧ください。
結婚相談所のトラブル実例
結婚相談所と会員の間にはどのようなトラブルがあるでしょうか。
上場している大手だけでなく、個人事業主が副業でやっている小規模の結婚相談所の場合もあり、トラブルが絶えません。ここでは国民生活センターに寄せられたトラブルの実例と、その対処法についてご紹介していきます。
無理やり契約させられたから解約したい
説明会に行ったらトラブルに…という実例です。
結婚相手紹介所の説明会で、業者のウェブサイトに「説明会後納得してから契約するシステム」 と書かれていたにもかかわらず、当日 4 時間かけて勧誘されそのまま契約した。
その際、自分の経歴など個人情報に関わることも聞かれるままに答えた。
その後、自分の了解なしに作成したプロフィール票が全国の支店に配布されていたことがわかった。
業者から自分の人格を否定するような発言もあり、不信感が募ったので解約したいと申し出たが、契約が締結されているので解約できないと言われた。
国民生活センター
無理やり契約させられ、その後の個人情報の取り扱いに納得がいかないなど、契約したことを後悔するようなトラブルに巻き込まれてしまうこともあるでしょう。
契約が締結されているから解約できないと突っぱねられてしまったら、本当に解約はできないのでしょうか?
対処法→クーリング・オフをする
クーリング・オフをすることで解約はできます。クーリング・オフとは無条件で契約の撤回や解除ができる法制度で、結婚相談所のような特定商取引に適用される制度です。
- 騙された
- 無理に契約させられた
- 一度は納得して契約したものの、やはり解約したい
このようにいかなる理由であっても、契約から8日以内ならばクーリング・オフが適用され、解約できます。特商法に定める書類の交付がないケースもあり、結婚相談所が法律に無知である場合が多く、適切な対応ができない場合もあります。
説明会や無料カウンセリングで強引な勧誘がないかどうか、事前に口コミをチェックしておくことも大切です。
成婚料を支払ったら交際相手と連絡が取れなくなった
結婚相談所というと怖いのが詐欺に合うことですが、このような実例が報告されています。
入会した結婚相手紹介サービスは地域別に支店があってお互いに連携しており、他県の支店を通じて外国人女性を紹介された。
交際中に業者から成婚料 120 万円を請求された。
まだ結婚していないのになぜかと尋ねると、交際 2 カ月で自動的に成婚とみなすという。入会時にそのような説明はなかった。
女性を家族に紹介したかったことと、業者が成婚料を半額に値引きするというので、支払った。
しかしその後女性と連絡がとれなくなってしまったし、交際を開始した時点で成婚料をとるのは不当だ。
国民生活センター
- 成婚までの期間が早い
- 聞いていない
といったコミュニケーション不足の内容から、さらに相手の女性と連絡がとれなくなってしまい、詐欺を疑うトラブルです。
- 説明が足りていない
- 相場を大きく上回る成婚料を求めてくる
こういった結婚相談所はトラブルを引き起こしやすいので注意が必要です。
対処方法→成婚の定義が決められていることが多いので確認しておく
今回の場合「たった2か月の交際で成婚だと言われた」とのことですが、結婚相談所によって成婚の定義は違います。日本結婚相談所連盟(IBJ)では、このようなルールを設けています。
お見合い後の交際期間はお見合い日から3ヵ月間がルールです
お見合いルール&マナー | 日本結婚相談所連盟
このように「成婚とは結婚をすること」ではなく、それぞれの結婚相談所で定められた期間の交際・旅行・婚前交渉・同棲といった行動でも成婚とみなされることも。
こんな短期間で成婚なんて!と思っても、ルールで定められていた場合は会員の言い分は聞かれません。それぞれの結婚相談所のルールをきちんと把握しておくことでトラブルを回避できるでしょう。
成婚料を支払ってすぐに交際相手と連絡が取れなくなるといった詐欺を疑う場合は、国民生活センターに相談してください。
エリートはサクラ?契約を解除したいのにできないと言われている
結婚するならば、エリートの男性や、若く美しい女性がいいと願ってしまうものの、そうした気持ちをもてあそぶ結婚相談所も存在します。
以前、電話で問い合わせたことのある結婚相手紹介サービス業者から、執拗な電話勧誘を受け、事務所に出向いた。
「年収 1 千万円以上のエリートと絶対結婚できる」と言われたこともあり、契約した。クーリング・オフや詳しいシステムの説明はなく、キャンペーン中で安くなると強調され、2日後に入会金を振り込んだ。
その後、エリートは会員の一部だけであり、情報料や交際を申し込む場合には別途料金が必要であるなど、契約前の説明と違うことがわかった。
騙されたと思い解約を申し出たら、解約手数料を請求された。全額返金してほしい。
国民生活センター
悪質な結婚相談所では紹介する会員の質を良く見せて入会を迫るものの、実際は希望の人物を紹介してくれないというトラブルが報告されています。
入会前に聞いていた説明とは違う料金を請求されるなど、金銭的なトラブルも合わせて起きたという点で、結婚相談所が用意したサクラである可能性も考えられるでしょう。
対処法→中途解約はできる
結婚相談所は「特定継続的役務提供契約」であり、中途解約ができます。
「解約はできない」といった不実のことを告げる行為は法律で禁止されていて、さらに結婚相談所が解約できないかのような規約を設けていても効力はありません。解約料にも上限があります。
結婚相手紹介サービスにおけるサービス提供開始前の中途解約は、解約料の上限を 3 万円と定めており、サービス提供開始後であれば、
①提供されたサービスの対価に相当する額
②2万円または契約残額の20%のいずれか低い額を加えた合計額(①+②)が上限となっている(特商法政令第15条、第16条)
国民生活センター
さまざまな料金の計算方法がありますが、上限が決まっているのでいずれも法外な金額を支払う必要はありません。
結婚相談所のトラブル件数は減少傾向にある
結婚相談所のトラブルがどのくらい報告されているかご存知ですか?
国民生活センターに寄せられる相談件数は年々減少傾向にありますが、それでも年間相談件数は1,806件と、多くの人がトラブルに巻き込まれています。
年 | 相談件数 |
---|---|
2015年 | 2,157件 |
2016年 | 1,985件 |
2017年 | 1,806件 |
さまざまな相談が寄せられていますが、どのような問題が多いのでしょうか。トラブルに巻き込まれないよう、どのような内容での苦情が多いのかを知っていきましょう。
結婚相談所で多いトラブル1位は「紹介される会員の質」
経済産業省が調査した結婚相談所と会員のトラブルの内容について、会員側の料金未納、滞納、不払いなどを除くと、1位は「紹介される会員の質」でした。
- サービスに満足でないから解約したい
- 解約しようとしたら金銭トラブルになった
といったように、事前の説明と違っていたり、そもそも説明されていなかったりといった状態がトラブルを引き起こしています。
途中解約などの説明を行っていない結婚相談所が多い
経済産業省の調査を見ていると、中途解約・退会時の料金について、規定を定めているところばかりではないとわかります。
規定もなく説明もしていないとなると、会員からは「聞いていない」というトラブルに発展しやすくなるでしょう。コミュニケーションをとっていればトラブルは避けられることも多いので、入会前にしっかり話を聞いておくことをおすすめします。
トラブルに合わない、信用できる結婚相談所の見極め方
結婚相談所とのトラブルは、会員とのコミュニケーション不足が招くものが多くあります。人生のパートナーを探すという行為はとても重大で料金も高額なので信用できる結婚相談所でなければ任せられませんし、会員同士でトラブルが起きた場合に頼れません。
ここでは身を預けられる結婚相談所の見極め方をご紹介しますので、良き婚活のパートナーとなってくれる相手を見つけましょう。
連盟や協会に所属してない結婚相談所は24.6%
多くの結婚相談所は連盟や協会に所属していますが、その反面、どこにも所属していない結婚相談所も24.6%と多く存在しています。
連盟や協会には、いかがわしい結婚相談所は登録できません。
これらの連盟や協会に所属することで婚活のノウハウを共有できたり、会員の紹介をしてもらったりと幅広く手厚いサービスが期待できますし、安心・安全への取り組みも行っています。
結婚相談所が加入する連盟には以下のようなものがあります。
日本仲人連盟(NNR)
40年の経験で培った婚活ノウハウで、成婚できる結婚相談所作りをサポートしてくれる連盟です。カウンセラーが担当する会員は平均18人と少人数制を推奨しており、ひとりひとりに寄り添った親身なサポートが期待できます。
日本ブライダル連盟(BIU)
登録結婚相談所数1600社以上、会員数52,000名以上の、日本最大級の構成となっていて、1972年創業以来のノウハウを共有することができます。
日本結婚相談所連盟(IBJ)
結婚相談所のIBJメンバーズでもおなじみで、仲人紹介スタイルでの成婚を推奨しています。登録結婚相談所は1,800件以上、会員数は60,000名以上と豊富なネットワークで、婚活をサポートしてくれるでしょう。
仲人ネットコム(NNC)
近畿地方を中心に、全国に600件以上の結婚相談所と25,000名以上の会員が在籍しています。仲人の育成や支援に力を注いでおり、確かな運営システムで成婚まで導いてくれます。
良縁ネット(Rnet)
インターネットで仲人を繋げる活動を2003年に始めて以来、多くの会員を成婚に導いてきました。25,000名の会員とオンラインでやりとりできるだけでなく、ノッツェやサンマリエといった大手結婚相談所とも提携しています。
日本結婚相談連盟(JBA)
提携含む加盟相談所は1,500件以上、会員は4,5000名以上という国内最大級の連盟です。コネクトシップという他社の会員も相互紹介できるシステムに参画しており、出会える会員数は55,000名を超えています。
日本成婚ネット(JMN)
昔ながらの手作りのサービスにこだわりのある連盟で、婚シェルジュアカデミーを設立して実務研修や定例会で婚活のノウハウを共有しています。
良縁会
提携グループを含む約1,300の支部と男女比半々の約29,000名の会員が在籍しており、関東や東海地方を中心に全国に展開しています。
日本仲人連合会
昭和45年発足の、長く愛されている連合会です。JMICやマル適マークやCMSを取得しており、安心の婚活ができるでしょう。
日本仲人協会
1984年創業と歴史ある協会で今まで11,000組以上を成婚まで導いてきた実績があり、1,800件以上が加盟、10,000名の会員ネットワークで婚活をサポートしてくれます。
このように、長年の経験やネットワークを生かせる結婚相談所の連盟などに登録している結婚相談所は会員にとってもメリットがあります。自分が入会しようとしている結婚相談所がどのようなポリシーを持ち、安全対策をしているかを入会前に必ずチェックしましょう。
プライバシーマークなど、個人情報の取り扱いをきちんとしてくれる
結婚相談所の公式サイトを見てみると
- プライバシーマーク
- 個人情報保護方針
- マル適マークCMS
- MCSA
- JMIC
といったマークや言葉が見られます。
プライバシーマーク
結婚相談所独自のルールではなく、第三者機関が定めた規定を満たしているとの認定マークです。多量の個人情報を預かる結婚相談所ならば、絶対に取得しておいてほしいマークです。
個人情報保護方針
結婚相談所の個人情報の扱いについての考えを記しています。長文ですが、個人情報が何に利用されるかを知ることができるので入会前には読んでおきましょう。
マル適マークCMS
経済産業省が定めたガイドラインに適合しているかを審査して、通過した結婚相談所である証です。
MCSA、JMIC
どちらも結婚相談所の信頼性を向上させるための団体で、大手結婚相談所や連盟が加入しています。
いずれも安全である証拠となるので、これらのマークを取得している結婚相談所を選んでトラブルを回避しましょう。
無料カウンセリングの時点できちんと疑問に答えてくれる
結婚相談所の多くは、無料カウンセリングや体験入会ができます。その際、対応してくれたスタッフに疑問を投げかけてみましょう。きちんとした結婚相談所ならば丁寧に質問に答えてくれますし、答えを不自然にはぐらかすこともありません。
担当するスタッフの対応により無料カウンセリングに来た人が入会するかどうかの決め手となるので、丁寧に話をしてくれます。無料カウンセリングの段階で対応の悪い場合は結婚相談所全体のレベルも相当低いと言えるので、入会は控えた方が良いでしょう。
「絶対に結婚できる」という言葉を信じない
成婚率は、業界ナンバーワンのパートナーエージェントでも30%は超えておらず、結婚相談所に登録している3人に1人以下しか結婚できていないことになります。
結婚は自分が努力しても相手がいないことには成立しないことなので、「絶対」という言葉を軽々しく使う結婚相談所は信用できません。
- 絶対に結婚できる
- 必ず条件の良い人を紹介する
といって強引に入会させることでトラブルとなる場合が多くあります。結婚相談所のスタッフの言葉や、公式サイト・パンフレットなどで誇張した広告を信じないようにしてください。
知識を武器に結婚相談所のトラブルを回避
トラブルの当事者にならないよう、信頼できる結婚相談所を見つけるだけでなく基本的な知識や対処法を知っておきましょう。知識を手に入れることで自分の身を守ることができます。
書面を確認しておく
パンフレットに記載されている月会費と違っていたといったトラブルがあったように、会員側の思い込みや結婚相談所の説明不足からトラブルになるケースがあります。書類をきちんと読んで、納得してから契約するようにしましょう。
結婚相談所は特商法により、決められた内容を記載した書面にして交付しなければならないと法律で決まっています。
書面には、主に次の内容を記載することが義務付けられている。①事業者の名称、住所、電話番号、代表者の氏名、②提供されるサービスの内容、③サービスの提供期間、④サービスを受ける者が購入する必要がある商品の名称、種類、数量、⑤支払金額、⑥支払いの時期、方法、⑦クーリング・オフ、⑧中途解約、⑨支払い停止の抗弁について(詳細については特商法第42条、省令第32条、33条、34条参照)
国民生活センター
支払い金額などに相違ないか事前に書面を確認しておくことで、トラブルを回避できます。こうした書面が交付されない場合は契約後でもクーリング・オフをしましょう。
クーリング・オフの制度を知っておく
クーリング・オフはトラブルの対処法の項目でもご紹介しましたが、結婚相談所と契約しても契約をした日から8日以内ならば無条件で解約できます。
クーリング・オフは誰でもできますが、書面を用意するのも大変ですし、必要な内容を記載していないまま送付してしまうとクーリング・オフに失敗してしまうかもしれません。
自信が無い人や、クーリング・オフを撤回するよう脅される恐怖を感じた場合は、行政書士に依頼して代行してもらうことも考えておきましょう。
恥ずかしいと思わずに国民生活センターに相談する
もし自力では解決できないトラブルに合った場合は、国民生活センターや消費者センターに問い合わせてみましょう。国民生活センターや消費者センターには、契約等の苦情や問い合わせに対し専門の相談員が適切に対応・処理してくれます。
消費者センターは全国各地にありますし、土日祝でも受け付けています。回答は得られなくても、苦情のメールを「消費者トラブルメール箱」に送付して共有することもできます。
また、法律のプロである弁護士に相談しても良いでしょう。どんなトラブルであれ「恥ずかしい」とひとりで悩まず、その道のプロに相談しましょう。
まとめ
結婚とは人生を共に歩むパートナーを選ぶ重要な場面です。高額を支払い、仲介を頼むとあれば
- 書面をきちんと読んでいなかった
- 甘い言葉に騙された
といった軽率な行動でトラブルに巻き込まれないようにしましょう。自分の人生を預けるに相応しい信頼できる結婚相談所を見つけ、自分の疑問がなくなるまで説明を受けてから入会しても遅くはありません。
慎重な行動が身を守ることに繋がりますので、今回ご紹介した対処法や制度を知り、詐欺やサクラといったトラブルに巻き込まれないよう、冷静に行動して良き婚活をしてください。
Q あなたの年齢は?
Q 最も大切な条件は?